PR この記事にはアフィリエイト広告が含まれています。
仕事に疲れた会社員・佐々木が、行きつけのスーパーの裏で田山と煙草を吸う。『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、その短い時間を重ねながら二人の距離が変わっていく大人のラブコメです。
恋愛は、大きなイベントで一気に進むより、いつもの夜の変化として動きます。何気ない返事、呼び方、少し長くなった会話。昨日までとほとんど同じ夜なのに、前より相手を気にしている。その小さな差が積み重なるほど、佐々木と田山の関係に重みが出てきます。
山田と田山の二つの顔が、佐々木の見え方をずらす
佐々木にとって山田は、疲れた帰り道に笑顔を向けてくれるスーパー店員。田山は、店の裏の喫煙所へ招いてくれた、少しぶっきらぼうで距離の近い相手です。読者は早い段階で二人のつながりを知りますが、佐々木はそれぞれに別の印象を積み上げていきます。
面白いのは、正体にいつ気づくかだけで引っ張らないこと。山田と話した時間、田山と過ごした時間は、佐々木の中でそれぞれ別の印象として残っています。正体がつながっても、それまでに感じてきた距離まで一瞬で同じにはなりません。佐々木が相手をどう見ていたか、そのズレ自体が恋愛のじれったさに変わっています。
喫煙所の会話は、告白より先に信頼を積んでいく
二人が会う場所はスーパー裏の喫煙所。特別なデートではなく、仕事終わりに一服するだけの時間から始まります。相手の体調を気にしたり、いつもと違う様子に気づいたりする変化が、特別なデート以上に効いてきます。
佐々木は踏み込みすぎず、田山も気持ちをすぐ言葉にしません。恋愛の進み方は遅めですが、会えば少しだけ相手のことを知る。その繰り返しがあるので、何巻か続けて読むと以前の会話が別の意味に見えてきます。
雰囲気が合うかを確かめるなら、まず1巻で佐々木と田山の会話を追うのがいちばん早いです。恋愛の結果より、二人がまた喫煙所で会う時間を読みたいと思えるかどうかで、その先を楽しめるかが見えてきます。
価格や配信状況は各ストアで変わることがあります。
1〜3巻は「会える時間」そのものが大切になっていく
1巻では、佐々木が田山に喫煙所へ招かれ、二人で煙草を吸う夜が日常になっていきます。2巻では健康診断の誤診をめぐる騒動や豪雨の夜があり、落ち着いた関係の中にも少しずつ変化が入り始めます。
3巻では、田山が抱く憧れや佐々木の既婚疑惑、新しい店員との出会いが重なり、二人だけだった世界に周囲の人や事情が入ってきます。それでも軸にあるのは、顔を合わせて話せる時間を失いたくないという感覚です。恋愛と呼ぶにはまだ遠いのに、相手がいない夜は前と同じではなくなっています。
4〜6巻では、過去と将来が二人の間に入り込む
4巻で佐々木は、田山との間にできた関係を自分なりに受け入れ始めます。5巻では初めてスーパーの裏以外で二人が煙草を交わし、佐々木も田山も、それぞれ過去に置いてきたものと向き合う流れへ。いつもの喫煙所だけでは見えなかった部分が少しずつ表に出てきます。
6巻では、過去から生まれたすれ違いが今の二人の言葉によってほどけ、日常が戻ってきます。日常は戻っても、二人の気持ちは以前と同じ場所には戻りません。相手への気持ちに新しい色が混じり、同じ会話でも以前より意識せずにはいられなくなっていきます。
7〜9巻は、相手の人生まで気にする距離へ
7巻では、田山をめぐる川上とのやり取りをきっかけに、佐々木の中で山田と田山への見方が揺れます。続く8巻では田山が姿を消した出来事と、その裏にあった事情が二人の関係を大きく動かします。待つことを選ぶ佐々木と、これまでとは違う感情を意識し始める田山。ここまで来ると、ただ喫煙所で会えるだけでは足りなくなってきます。
9巻では、山田が一度諦めた夢にもう一度向き合い、佐々木も仕事で結果を出して本部での表彰を控えます。相手を好きかどうかだけではなく、これからどう生きたいのかが二人の関係と重なり始める巻です。序盤の「一緒に煙草を吸うと落ち着く」という関係から、かなり遠くまで来たことが分かります。
ゆっくり進む恋愛が合う人には、巻を重ねるほど効いてくる
| 相性がよさそうな人 | 読み味 |
|---|---|
| 会話中心の恋愛ものが好き | 短いやり取りの変化がそのまま関係の進展になる |
| 大人同士の不器用な距離感を楽しみたい | 勢いより気遣いと遠慮が前に出る |
| 一気に進む告白や急展開を求めない | 数巻かけて気持ちが形になる |
| 日常の中で人物の過去や仕事も読みたい | 巻が進むほど恋愛以外の事情も関係に影響する |
反対に、毎話大きな事件が起きるラブコメや、序盤から明確な告白と交際を見たい人には遅く感じやすい作品です。喫煙所が物語の中心なので、煙草の描写そのものが苦手なら読みづらさは残ります。
原作は9巻まで連載中。10巻と特装版を選ぶ前に
地主さんの原作漫画は月刊ビッグガンガンで連載中です。最新9巻は2026年7月24日発売で、10巻の発売日は2026年10月15日現在未発表です。原作は完結していません。
8巻での不在と再会を経て、9巻では山田の夢と佐々木の仕事が二人の距離に重なります。最近の会話に込められた遠慮を思い出したい人は8巻へ戻り、初めて読む人は山田と田山への印象が食い違う1巻から読むほうが、小さな言い換えにも意味が出てきます。
紙には、8巻の通常版と小冊子「裏ヤニ3」付き特装版など、同じ巻数でも付属品が違う商品があります。本編を揃えるだけなら同じ8巻を二冊買う必要はありません。特装版を追加したい人は、手元の本に付く小冊子まで揃っているかが判断の目安です。
TVアニメの最終回と、漫画の完結は違う
TVアニメは2026年7月9日に放送が始まり、9月24日にTV放送版の12本目で終了しました。原作漫画は連載が続いています。TV版とABEMA限定版では収録の区切りも異なるため、アニメの話数だけで原作の次巻は決まりません。
初めて漫画を読むなら1巻へ。アニメで知っている会話も、自分の速度で表情や言いよどみを読み返せます。視聴した版や配信の違いはアニメ最終回と配信先からたどれます。




コメント